2011年11月、韓国で『私の心の中の朝鮮学校』(내 가슴속 조선학교)と『ハッキョへの坂』(학교가는 언덕길)の2冊が出版されました。(株式会社オルビョ올벼より、2011年11月20日出版)

 3・11東日本大震災で被害を受けた東北の朝鮮学校を支援しようという韓国の人々の思いから、本の収益は、被災した朝鮮学校に寄付されています。前者は、日本でも大ヒットしたドラマ「冬のソナタ」の課長役などで知られる韓流スターのクォン・ヘヒョさんによる文と朝鮮学校の子供たちによる絵画。後者は、Aritst Actionの賛同人でもあり、「朝鮮学校無償化除外反対アンソロジー」(詩歌人79名による冊子)を上梓された詩人の河津聖恵さん、許玉汝さん他による詩集の韓国語訳版です。

 ここではまず、韓国版『私の心の中の朝鮮学校』『ハッキョへの坂』の紹介文を翻訳して掲載させていただきます。

 

 

『私の心の中の朝鮮学校』

ー朝鮮学校支援運動を展開する俳優クォン・ヘヒョの心の奥から紡がれる物語

 

 『私の心の中の朝鮮学校』は、去る3月の東日本大震災の被害を被った在日同胞と朝鮮学校への暖かな激励の思いを伝え、復興のための支援基金集めを目的に活動するモンダンヨンピル(www.mondang.org)共同代表を務める俳優クォン・ヘヒョ氏が、朝鮮学校に対する率直な心情を文に表し、2010年日本で行われた音楽と美術の融合教育プロジェクト<PALAM×KIDS>で創作された朝鮮学校の生徒たちによる絵画と共に編まれた絵本です。

 クォン氏は2002年、金剛山で開催された<南北海外青年学生統一大会>で、朝鮮学校の学生たちとの心にひっかかりを残した出会いの記憶が、後に韓流スターとして日本を訪れた時に思い起こされるに至った過程と、去る3月の大震災で被害を受けた朝鮮学校の学生たちに対する同胞愛を静謐な筆体で綴りました。

 文中で俳優クォン・ヘヒョ氏は自身が出会った朝鮮学校と学生たちの話を率直かつ感動的に紹介しながら、今日、なぜ私たちが日本にいる朝鮮学校と未来を共に模索せねばならないのかを語っています。

 クォン氏の文と共に載せられた絵画は1500余名の朝鮮学校の学生たちが<PALAM×KIDS>プロジェクトの一環で一連の音楽を聴いてその感想をハガキサイズの紙に描いたものから152点を選び掲載したものです。このプロジェクトには被災地域に該当する東北朝鮮初中級学校と福島朝鮮初中級学校をはじめ、東京と大阪、新潟、神戸など日本各地の17校が参加しました。

 

『ハッキョへの坂』

ー日本の朝鮮学校差別政策と対峙した日本の詩人たちの憤怒と自省の記録ー

 

 詩と写真で構成された『ハッキョへの坂』は、日本政府の朝鮮学校無償化除外政策に反対する日本と在日同胞の詩人38人の詩38篇を、朝鮮学校の歴史が詰まった写真たちと共に紹介する詩選集です。

 これまで日本では良心的な詩人たちが中心となり、日本政府へ抗議書簡提出および、集会開催、詩選集『朝鮮学校無償化除外反対アンソロジー』発刊などを通し、朝鮮学校無償化除外政策が在日朝鮮人に対する差別的で非教育的な仕打ちであることを表明してきました。

 今回出版された『ハッキョへの坂』は2010年日本において上梓された詩選集『朝鮮学校無償化除外反対アンソロジー』の翻訳増補版にあたり、38篇の詩には日本政府の朝鮮学校に対する差別政策に憤怒し、過去の歴史に涙を流しながら、子供たちの明るい未来を憂う日本の詩人たち(河津聖恵氏ほか)と在日同胞詩人たち(許玉汝氏ほか)の文学的、社会的困難が綴られています。

 

(訳:任炅娥)